北海道道南噴火湾沿岸には 秋になると、毎年お腹にたっぷりと卵を抱えたスケソウダラが集まってくる。日本各地に『たら子』の加工メーカーが点在するが、外国産の原料を主体にしているものが9割以上に及ぶ中で、目の前で水揚げされる最高鮮度のスケソウダラからいち早く卵を取り出して、味付け加工できるところが決定的に異なり、鮮度も味も明らかに一線を画する。 
  北海道噴火湾の登別温泉近くの『虎杖浜』は、小規模ながら昔からのたら子メーカーが幾つも立ち並ぶ日本有数の『たら子』の名産地だ。 

 私と松田社長とのお付き合いは30年近くに及ぶ。当時はお互いに、親父が社長で自分達は専務だった。 

 老舗が故に生み出される美味しい味付けは勿論のこと、前浜故の特性を生かして、(今では無添加なものが改めて評価を受ける時代となってきたが)食紅で真っ赤に色付されたものが当たり前に『たら子』と認識されていた時代に、敢えてほんのりオレンジピンクがかった本来の色そのままの『無着色の多良の子』を発売した。 


  それは、前浜で獲れる最高鮮度の『たら子』でしか成し得ない。言い方を変えれば、たら子の常識とされてきた真っ赤な色は、それぞれ違った色目に仕上がるたらこの見た目の均一化に必要不可欠だった訳で、当時の常識への本物の前浜産地からの見事なアンチテーゼだったのだ。今では無添加や無着色への嗜好が世界的に常識的になってきているが、当時としては画期的なことだった。 

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  松田さんの挑戦はそのことに留まらない。 
 『辛子明太子』と言えば福岡が発祥。但し、その原料となる『スケソウダラの卵』は九州では水揚げされないため、北海道や海外から長い道のりをかけて取り寄せる。相対して松田水産では『多良の子』と同様に鮮度の良いたら子だからこそ成し得る無着色の獲れたてたら子を原料とした『浜漬け明太子』を生み出した。無着色のたら子にパラっとかけられた唐辛子は辛さ控えめの品の良い味に仕上がっている。私は、 辛味をあまり好まないが、本物のたらこの風味が漂う「浜漬け明太子」は本場福岡のものより遥かに美味しいと思っている。 

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 松田さんと弊社で共同企画開発した商品もある。弊社のお寿司やさんやイタリアンからの「良く見かける外国産原料ではなく、前浜の味の良いたら子、明太子のチューブタイプが欲しい」とのご要望から、コストを抑えるためにも、今流行りのサステナブルのためにも、加工途上に皮が破れたものを原料にしたチューブタイプの商品を生み出し、味にこだわるお店の定番商品として欠かせないロングセラーとなっている。 

たら子チューブ
明太子チューブ

  当初は、知り合いに贈答で差し上げていたこの『無着色のたら子、明太子』は美味しかったの声を多数頂いたが、一度召し上がると我が家を含めて、毎年リピート購入される方々が続出している。 

たら子ご飯
炙り明太子丼大葉添え

 株式会社グローバルフィッシュ 
代表取締役 柿澤 克樹 

数ある食材の中でも全国津々浦々の弊社パートナー生産者の魂籠る日本の食材は「世界の財産」です。
その信念に基づき弊社はサイト名を『日本食財.com』と名付けました。

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