青森シャモロックを語るとき、15~16年前の記憶が走馬灯のように鮮明に蘇って来る。

 当時、青森県では、他県に先駆けて、『攻めの農林水産業』を旗印に、県内の農林水産物を強力に販売促進するために総合販売戦略課を創設し、その基本となる『戦略』策定した。
 県庁のエース級が立候補して終結したそのチームは、まるで民間企業さながら、夜も寝ないで戦略に従って、県内に眠る潜在力を掘り起こすために、生産者の努力で将来のエースとなり得る24品目の取り組みに光を当て、一つ一つ吟味しながら最適な販売方法を策定していった。

 その時、小売流通チャンネルには、大手量販のI社の東北担当役員の方が選ばれ、ホテル等の業務筋チャンネルには私を選んで頂き、末端へのインタビューから、産地フェアの企画、シェフの産地への招聘プロジェクト、更には定番化に向けてのより密な取り組みといった具合に、戦略的な目標に向かって、県内生産者のために一緒に精一杯奔走した。

 青森県は、東京・大阪からはかなり遠方になるため、物流面では不利な面が多かったが、その分自然が豊かであり、弱みをむしろ強みに変える戦略で、他にはない多くのヒット商品が生まれていった。

 その中でも、青森シャモロックは、県が20年以上かけて開発してきた地鶏で、その雛は宮内庁の御陵牧場にも納められ、皇室で大切な来賓が来られた時にご提供されていたが、
 『比内地鶏』や『名古屋コーチン』と言った全国に名の通った有名地鶏には、生産量も知名度でも遥かに及ばないレベルであった。そこで、業界的には全く無名の地鶏が将来は『日本の三大地鶏』の一角に食い込めるようなレベルに迄、品質も生産量も高めていくという目標を掲げてプロジェクトはスタートした。

 県の畜産課出身の総合販売戦略課の担当の方と一緒に、当時、私の会社のお客様でもあり、シェフの中のシェフと言われ、敬意をもって崇められる都内の有名レストラン、更に、当時世界的にも5指に入ると言われた都内最高級ホテルを次々に訪ねた。
 私が、県の方々に申し上げたのは、前職で戦略コンサルタントであった時に学んだ『水は高いところから低いところに流れる』つまりは、最高級クラスに認識して頂き、食材を評価して頂き、実際に使用して頂くことができれば、その食材は自然と業界の中で品質の良いものとして認識される、つまりはこれが本当の意味でのブランド化への道になるという戦略であった。この地鶏の長所はどこにあるのか、また課題はどのあたりなのかを探りながら、マーケットニーズに従って、生産・販売体制を共に構築していった。

 しかし、現実は苦労の連続であった。生産目標を高く設定していた為に、ある生産者はテレビに出てマスコミに取り上げられために注文が一時的に殺到してやってはならない欠品を起こし信用を失ったり、見込みで生産しすぎて大量の在庫を抱えてしまい、大きな損失を抱えたり、事業採算性を追求しすぎたために、本来の味・品質を落としてしまったり、また、部位別の生産がマーケットニーズとわかり、部位別供給を始めたが、生産と販売の部位バランスが崩れて、ある部位だけが大量に残ってしまったりと、多くの失敗を繰り返してきた。

 そんな中で、六戸町は、開発当初からの基本である本来この鶏が持つ品質を最大限に生かして生産するために、できる取り組みを続けてきていた。数は限られてはいたが、県が長年かけて開発したプレミアムの餌を与えて、最高品質の地鶏を作る努力を続けていたのだ。

 私の会社の取引先でもあり、長年産地の食材に料理人の立場からご意見を頂いたフレンチのレジェンドシェフや若手の世界クラスのシェフがいつも言われていたことがヒントになって、青森シャモロックのプレミアムの取組みに更なる磨きをかけることができた。

出来上がったその弊社オリジナルの プレミアムな餌を長期に与えて自然豊かな環境で育てた六戸町の青森シャモロックは、大阪や東京の名だたるホテルの料理長の方々から 「宮内庁の最高品質の地鶏に勝るとも劣らない」と絶賛の評価を受けることとなった。

 その後毎年、季節の定番のメニューとして、都内の超高級ホテルでこのオリジナルのプレミアムなシャモロックは使い続けて頂いている。

プレミアムな青森シャモロックに、世界コンクール1位のレジェンドシェフ自ら作って頂いた 『プロ仕様ではなく、誰にでも美味しく召し上がっていただけるレシピ』で、今年のクリスマスに向けて、『日本一の食財と世界一のシェフの競演』と銘打てるローストチキンを、今般、世に出せる運びとなったのだ。

 コロナ禍にあって今年のクリスマスには、皆様のご家庭で、なかなか召し上がることのできない『こだわりのたっぷり詰まったローストチキン』で、豪華なクリスマスディナーをお楽しみ頂きたいと思っている。

代表取締役 柿澤克樹

数ある食材の中でも全国津々浦々の弊社パートナー生産者の魂籠る日本の食材は「世界の財産」です。
その信念に基づき弊社はサイト名を『日本食財.com』と名付けました。

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